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クレーンを使った移動効果は映画の見せ場なのですが・・


* 連載フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number 




Roll 289 <フィルムとコマの話 その42> 手ブレを防げ

 『写真の撮り方講座』というような読み物があった場合、なによりも先に言われるのが「手ブレを防げ」ということだ。

 曰く、脇を締めてカメラを構えろ、カメラもしくは体を柱や壁に押しつけるのもよい、可能なら三脚を使え云々。
 よく見かけることだが、両足をそろえたまま膝を曲げたり、あるいはのけぞり気味にカメラを構えたりするのは厳禁である。
 (私も学校の授業で「カメラ位置を下げたければ足を前後に開け」「カメラを引くときは上体を動かさず体ごと下がれ」としつこく言われマシタ)

 なにゆえそのように手ブレを恐れなければならないのかと言えば、あらためて説明する必要もなく画質が低下するためだ。
 ちょっとの手ブレでも写真からはシャープネスが失われて寝ぼけた絵になるし、ある程度以上ブレたらもう何が映っているのかわからない。

 銀塩(フィルム)カメラしかなかった時代、結果はずっと後になってみないとわからなかったため、旅行先でバシバシ撮った記念写真を楽しみにしていたところが出来上がった写真はブレボケばかりだったということがよくあった。特に夜間あるいは室内で撮った写真はフラッシュを使わないかぎり全滅なのが普通だった。

 撮った絵がすぐ確認できる現在のデジカメではこのような全損事故は無くなったものの、カメラの(小さな)モニターで見たかぎりでは「撮れて」いたように見えた写真が実際にはけっこうなボケ写真だったということはよくある。

 つまるところ「写真を撮るときカメラを動かすな」というのはきわめて重要なことなのだ。

 さてしかしここでムービーカメラである、ムービーカメラがパンをする場合それは手ブレを起こしているのと同じだ。

 映画とは1/48秒のシャッタースピードで撮ったスチール写真を連続で映写するものである。1/48秒というのはそう早いシャッター速度ではない。そのカメラが動いていればけっこうなブレボケが生ずるわけだ。

 映画でカメラを動かすということは実は画質を低下させているということに他ならないのだ、と指摘したところで次回は「動きボケ」の話をする。


※<フィルムとコマの話>を最初から読みたい方は →こちら 


2007年10月03日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部