* 連載フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

  文・写真/根岸泉 --->Back Number


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「ラーメン食べるシーン撮ったんだけどいまいち湯気が足りないのよね」

というわけで、ラーメンに足す湯気の素材を撮る仕掛け。










Roll 314 <フィルムとコマの話 その67> ビデオアシストの限界

 昔むかし、監督というものはカメラの脇に立ち役者の芝居をその目で確かめるものだった。しかし、ビデオアシストがあたりまえになった今モニター前に座ったきりの映画監督は多い。

 また、ビデオ収録するTV番組は監督(TVの場合「演出」と言うが)は普通にモニター前に居る。
 最近は映画でも高品位ビデオカメラを使ってビデオ収録する作品があるがその場合でも監督はモニター前に居る。

 ようするに今や監督は誰も彼もモニター前に陣取っているということなのだ。

 しかし上の例のうち最初の1つと後の2つでは少しばかり状況が違う。
 下の2つ「TV番組」「ビデオ撮りの映画」では照明技師もモニター前に居るが、ムービー(フィルム撮影・ビデオアシスト)の場合には居ない。

 前回「解像度が悪いのでビデオアシストは細部のチェックに向かない」と述べたが、同様に色(色調と階調)の再現性も悪いのでこれをたよりに照明するわけにはいかないのだ。

 (一方、ビデオ収録する作品の場合、モニター映像こそが「最終結果」であり、照明効果は肉眼で見るよりモニター映像で確認したほうが確実なのである)


 以上、ビデオアシストの問題として「解像度」と「色の再現性」について述べた。
 しかし、特撮の場合はさらに問題がある。

 それがハイスピード撮影だ。

 特撮映画は常にハイスピード撮影状態であると以前述べた。しかしビデオアシストはハイスピードには対応していない。

 昨今、映画の現場にもハイスピード撮影可能なビデオというものが取り入れられてきたが、それらはエンジニア込みで現場にやってくる高級品(!)であり「添え物」のビデオアシストに使えるような物ではない。
 つまり、カメラが2倍速で回ろうと5倍速で回ろうと撮影/収録は常にノーマルスピードなのだ。

 画像を記録するビデオデッキ(あるいはHDDデッキ)に可変速再生機能があれば、完成した映像の速度をシミュレートできるが、これはあくまでもコマ伸ばしでしかない。

 つまり5倍速のフィルムが
 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15
 と15コマ撮った部分を
 1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,3,3,3,3,3
 と引き延ばして見せているだけなのだ

 これが完成画面のチェック用途として望ましくないのは言うまでもない。


 続く。


2008年10月15日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部