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※撮影:中山慶太


* 週刊フォトエッセイ*

NinaMika Weekly 週刊ニナガワ通信

  文/蜷川実花 --->Back Number × 中山慶太




§チープトリップの謎(1)§(nov.2003 #01)

 この連載の読者ならもう観たひとが多いと思うけど、蜷川実花のショートムーヴィー「Cheap Trip」がウェブで配信されている。
 小説でいえば、不思議な読後感をともなう作品ということになるのだろうか。25分という限られた尺のなかには、説明的な映像やセリフはほとんど置かれていない。いわば商業的な作品に欠かせないとっつきの良さ、「分かりやすさ」が重視されていないのだ(ストーリーそのものはとてもシンプルなのだが)。
 そして、そのかわりにぎっしりと詰め込まれているのは、色彩と偶像に彩られた「ニナミカ印」のイメージである。

 僕はこの作品については、撮影前から脚本や絵コンテを観ることができたし、じっさいのロケ現場に足を運んで蜷川実花の演出を見るチャンスにも恵まれた。だからひととおりは理解しているつもりだったのだ。にもかかわらず、自宅でダウンロードした映像を観たときはショックを受けた。彼女の仕事にはいつも驚かされることが多いけど、今回はいままででいちばん重いパンチである。
 実はこの作品はウェブで配信される前に試写会が催された。僕はあいにくスケジュールが合わず、その場に居合わせることはできなかったから、観客の反応を見ることはかなわなかった。その場に居合わせたとしても、たぶん周囲の反応を見ている余裕はなかったと思うけど。
 それにしても、この潔さはなんだろう、と思う。この作品は通常の興業スタイルとは別の、ちょっと実験的なやりかたで公開されるため、やりたい放題に作ったということだろうか?
 いや、作者が蜷川実花である限り、そんなことはありえない。彼女の誠実な、なによりも自分に誠実な仕事ぶりを知っているひとなら、誰もがそう思うはずだ。  だから僕らはこの作品に仕組まれた謎を解いてみなければならない。

■蜷川実花初監督作品「Cheap Trip」が「モッズヘアのWebサイト」で配信されています。動くニナミカワールドに今すぐアクセス!

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2003年11月05日掲載

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