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※写真/中山慶太


* 週刊フォトエッセイ*

NinaMika Weekly 週刊ニナガワ通信

  文/蜷川実花 --->Back Number × 中山慶太




§変容せざる魂(2)§(dec.2004 #02)

 セルフ回顧展、と僕が勝手に呼んでいる「photographs 2001-2004」(11月13日〜12月4日、於:小山登美夫ギャラリー)の会場に、およそ百点もの写真が掲示された壁面があった。その作品群は彼女がデビューいらい続けている旅のスナップが中心で、仕事が生活の大半を占めるこの作家の、いわば近況報告になるのだろう。

 ひとつの場所に留まらない。蜷川実花の旅の写真は、実は彼女の写真感と人生観をよく現していると思う。旅先の日常を切り取りながら、そこにあるはずの生活を想像させない(というか、押しつけない)写真たち。まるで世界を巨大なハンマーでそっと優しく砕いたようなそれは、時間と空間の破片として作家の視神経に掬い取られ、ある瞬間にこうして再構築される。
 個々の作品にストーリーのつながりはなく、破片はモザイクのピースのように大切にあつかわれて、紙面や壁面に巨大な鏡を形成する。そこに映るのは、蜷川実花の心象ではない。いっけんそうであるように見えるけれど、この鏡は鑑賞者の心を映しているに過ぎない。
 では蜷川実花の心はどこに映っているのだろう?

 探すのは容易ではない。なにしろ僕はそれを探し続けて、もう8年になろうとしている。

■蜷川実花さんの公式サイト
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2004年12月08日掲載

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マカロニ・アンモナイト編集部