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NinaMika Weekly 週刊ニナガワ通信 文/蜷川実花 --->Back Number × 中山慶太 |
§残酷な表現者が支配する(4)§(feb.2005 #04) 蜷川実花はいぜんある写真雑誌の「なぜフィルムメディアにこだわるか」といアンケートに答えて、「フィルムで撮るというその取り返しのつかない行為が好き」というような発言をしていたことがある。 カッコイイ、と思う。そう、彼女のセリフはいつも洒落ていて、ひとの心をチクリと刺す。でもほんとうの蜷川実花、その旺盛な好奇心と溢れ出る創作のパワーを理解しようとしたら、そういう言葉の裏にある真意をはからなくてはいけない。 僕が彼女と接していつも感じるのは、演出の巧さである。それは仕事の選びかた、作品発表のタイミングから個展のディスプレイまで、すべてに及ぶものだ。高名な舞台演出家である父親のDNAがなせる技、と書いてしまったらあまりに安直だけれど、彼女が天性のカンで生まれ育った環境を吸収してきたことは確かだろう。 だから先のフィルムに対する発言にも、多分に演出がふくまれている、と考えるべきか。きっとそうではない。蜷川実花は自分の作品を、というよりも創作行為をとても愛している。その愛情は彼女を取り巻くポップでキッチュな小物たちに寄せられるものと、本質的におなじものだと思う。 アンバー色のフィルムベースの上に積層された、化学化合物の粒子が織りなす色の祝祭。それがデジタルの情報に置き換えられても、たぶん彼女の創作の本質は変わらないだろう。でもきっとニナミカはそういうメディアよりも、カタチがあるものが好きなのだ。触れて温度が伝わるもの、いつかは崩れて無くなるもの。その儚さを愛しているからこそ、彼女の作品は観るものの心を打つ。 ……などと彼女の行動の理由を後付けで考えていると、ある日とつぜん「今日からデジタルにしたよ〜ん」と、あの軽やかな笑い声が聞こえてくるかもしれない。残酷な表現者の仕打ちはいつも先が読めない。だから油断ができなくて面白い。 ■蜷川実花さんの公式サイト 最新情報、過去の仕事や作品集はこちらでチェック!!
2005年02月23日掲載
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